「新潮」掲載作品の単行本化。
いつもの福井弁がないだけで印象は変わる。加えて、状況描写は押さえがちで心理描写と台詞が多いパターンの舞城。落ち着きと大胆さが共存する文体は心地好い。
タイトルの通り「女性」がクローズアップされる物語であるが、どうしたものかと考えさせられるタイトル。自分はタイトルとのギャップを抱きながら読み進めたが、恐らく同じクチの人が多いのではないかと思う。自分が言う立場ではないが、このタイトルは勿体なく感じる。不要に読者を選ぶ、というべきか。
それほどに良い作品だと感じる。成長譚という一言でまとめると失礼かもしれない。
ただしラスト5頁のエピソードは唐突な印象。