書は言を尽くさず、

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伊坂幸太郎 『砂漠』

砂漠 (新潮文庫)
舞台は仙台。春夏秋冬の章立てで、大学生たちに見舞う複数の事件を通して、青春の緩急を描いた作品。
「砂漠に雪を降らせるようなこと」がしたい、という荒唐無稽な人物が物語の中心。とはいえ、荒唐無稽を自分のスケールの中で実現させようとするタイプで、捉え方によっては牽強付会の連続。煙たがられることもありながら、主人公界隈では人気。こういった人物を描くのは伊坂幸太郎お得意だと思う。
荒唐無稽が実を結ぶ姿はカタルシスを伴う。傑作。