2011-03-21 伊坂幸太郎 『砂漠』 book 舞台は仙台。春夏秋冬の章立てで、大学生たちに見舞う複数の事件を通して、青春の緩急を描いた作品。 「砂漠に雪を降らせるようなこと」がしたい、という荒唐無稽な人物が物語の中心。とはいえ、荒唐無稽を自分のスケールの中で実現させようとするタイプで、捉え方によっては牽強付会の連続。煙たがられることもありながら、主人公界隈では人気。こういった人物を描くのは伊坂幸太郎お得意だと思う。 荒唐無稽が実を結ぶ姿はカタルシスを伴う。傑作。