書は言を尽くさず、

本読んだりしています

真鍋昌平 『闇金ウシジマくん』

スピリッツ連載中のこの作品、画風はそう好きでもないが、ついつい読んでしまう作品である。(ちなみに他のスピリッツ連載中の作品で読むのは、『高校球児ザワさん』『ラストイニング』『アイアムアヒーロー』、たまに『上京アフロ田中』『セルフ』)
特に現在掲載中の「楽園くん」編は面白い。
心の弱い人間が闇金融に手を出し、転落していく様を描くのがこの漫画のスタンダードだが、「楽園くん」編もご多分に漏れない。「楽園くん」の視点人物は、ファッション誌の読者モデルとして「オサレ皇帝」を目指す若者。自分に自信がないが、常に誰かから認められたい・愛されたい。ファッションという一要素にしか自分のアイデンティティを見出せず、高額な服を買うために闇金融から融資を受け、更に悪事にも手を染めていくという堕ち方。
シリーズとしてはかなり長い部類だが、裏社会・落伍者・薬物・ヤクザ等、本作お得意の要素がほぼ漏れなく(例外は風俗ぐらいか)絡み合っている。中盤には冗長さも見えたが、何とか来週結末とのこと。奇麗な伏線の回収には期待していないが、ある種の回収と収束があるのは間違いない。