書は言を尽くさず、

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貴志祐介 『天使の囀り』

アマゾンから帰国して以来、別人のように変貌を遂げた人々。その原因・真相を探るホラー小説。
とはいえアマゾンでの出来事そのものの記述は淡白であり、日本を舞台とする人々の変化こそを真の恐怖として取り上げ、入念に濃密に記述している。
描写のグロテスクさも特徴の一つだが、あくまで表面的な恐怖に過ぎないように思える。
心理描写は終始丁寧であり、終盤の展開はエンターテインメント性も高い。流石の一作。