書は言を尽くさず、

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森見登美彦 『きつねのはなし』

4編収録の短編集。
デビュー作『太陽の塔』・2作目『四畳半神話大系』で見せた作風とはうって変わって、幻想性の高いホラー小説となっている。
表題作は肥大していく不信感・恐怖心を淡々とした文章ながら巧く描けていると思う。しかし2〜4編めは回想を多用する語り口のせいか、どこか感情移入しづらい。
非常に落ちついた、地に足のついたホラーではあるが、堂に入り過ぎていてあまり肌に合わなかった。