書は言を尽くさず、

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島田荘司 『UFO大通り』

2編収録の中編集。
幻想的な謎、強烈な偶然、日本人論、女性観、死刑論、21世紀本格等々、島田荘司のエッセンスとも言うべき要素が散りばめられている。
表題作は著者が語る「幻想的な謎と論理的な解決」を実現した一作。だが、がっかり感は否めなかった。謎は魅力的なのだが……。
「傘を折る女」は日常の謎風に始まりながらも、お得意の奇妙な偶然が絡まり合い、かなり強引な結末に至っている。落ち着くところには島荘らしさが溢れていて、ほっとするような呆れるような一作。