書は言を尽くさず、

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島田荘司 『溺れる人魚』

4編収録の短編集。
前半3編について、街並の風景・名車の特長等の描写はやはり素晴らしい。決してガイドブックや解説書レベルにはとどまらない著者特有の力強さが感じられる。
ただしそれらは題材としてはサブであり、メインとなるのは島田荘司が提唱する「21世紀本格」。すなわち最先端科学・生物学と本格ミステリの融合。だが、個人的には「21世紀本格」にそそられるものがあまりないため、トリック面に懐かしさが感じられる表題作が最も好み。
最後の1編は特に感想なしというかなんというか。