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吉田修一 『日曜日たち』

日曜日たち (講談社文庫)
5人の若者にとってのそれぞれの「日曜日」を描く連作短編集。コンセプトとしては『パレード』に似ているが、分量でもテーマ性でも一歩二歩譲る出来具合である。どこか、安易に泣かせにかかっているような雰囲気が吉田修一らしくない。
連作形式よりもむしろ個々の短編に光るものを見い出せたように思える。私的ベストは「日曜日の運勢」か。「日曜日のエレベーター」も捨て難い。