書は言を尽くさず、

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『白夜行』

毎週欠かさずではなく飛ばし見逃ししつつでしたが、最終回は比較的真面目に見ました。
で、まぁいきなり総括するとこのドラマは原作の解釈の一つと考えればいいのだと思う。
原作は物語の中核となるふたりを徹底的に他者の視点から描いていた。ドラマはその逆で、ふたりの視点からの心理情景の描写に最も重きを置いていた。原作とは異なる方面から光を当てたため、小さな矛盾はあれど、二つは真っ向から相反する存在ではない。アナザーストーリーとして、単なる原作再現を超える部分が垣間見えた。
惜しむらくは、そういった原作との対称性を持たせるならば、ドラマのラストについても全く同じ展開にして欲しかった。それでこそ映える部分があったように思う。
ただ、そこは笹垣をただの傍観者とするのは勿体なかったのだろう。なんてったって武田鉄矢。この笹垣や渡部篤郎扮する松浦などは、役者の力量によって原作以上の存在感を覚えさせた好キャスティングである。おそらく東野圭吾の巧いながらも無難さに落ち着く描写では辿り着けない。そんな領域を見せてくれた。
もう一つ残念、というか多分個人的な問題としてはやはり主人公ふたりのキャスト・演技について特に感想がないこと…
ひとつあるとしたら桐原は関西弁でいて欲しかったな。