書は言を尽くさず、

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阿部和重 『ニッポニアニッポン』

ニッポニアニッポン (新潮文庫)
主人公・鴇谷春生の必死さ、見苦しさ、みっともなさは阿部ちゃんならではというところである。
解説・斎藤環の言う「形式的」云々はよくわからないが、現実味がないほど滑稽な主人公像は、リアリティを度外視し「ひきこもり」という形式だけを引っ張ってきた結果かもしれない。
終盤の物語のピーク(具体的には160頁)、QUEENBohemian Rhapsodyの歌詞をバックに〆などは非常に好きである。