書は言を尽くさず、

本読んだりしています

白峰良介 『飛ぶ男、堕ちる女―広告クリエイター連続殺人 (講談社ノベルス)』

なんかここ最近よく本読んでますが逃避してるだけです。基本情報の勉強とかいろいろ。あ〜いい午後対策の教本ないかな。今日これから探しに行くか。
「広告クリエイター殺人事件」ということで広告業界の知られざる一面を覗けたという点は面白かった。が、トリックやロジックなどは特に突出したものではない普通の推理小説である。
著者は本書刊行後は、『創元推理』や『新本格猛虎会の冒険』などのアンソロジーへ作品を発表したりWeb現代の企画に参加したりしている。完璧な一発屋とは言い難いようだ。なお、巻末にある故・鮎川哲也氏の解説によると、著者は同志社大のミステリー研究会に所属しており、その機関紙に掲載した密室トリックものの作品が鮎川氏の目に留まったのがデビューの大元のきっかけらしい。しかし、本作ではその密室トリックは用いられていない。講談社文三の宇山氏曰く「あれは無くても充分に面白く書けているんです。あれはあれで、将来白峰さんが短編集をだせるような作家に成長したら、そのなかに入れようと思っていますよ」とのこと。どこかに発表されているのだろうか、その密室トリックが用いられた作品は。そして鮎川氏はそれを読むことができたのだろうか。