書は言を尽くさず、

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島田荘司 『龍臥亭幻想 上/下』

龍臥亭幻想 上 (カッパノベルス) 龍臥亭幻想 下 (カッパノベルス)
島田荘司久々の上下巻。圧倒的な筆力は脇道のエピソードで堪能できるし、物理トリックも大掛かりで往年の島荘を想起させる出来栄え。
 ただ、「異邦の騎士再び」は、立場を変えて書いてみると感動度は下がってしまっていて、「御手洗と吉敷の推理がクロス」も本当にクロスしているかは疑問。これらのキーワードは完全には消化しきれていないように思えた。一言で云うと煽り過ぎ。