書は言を尽くさず、

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貫井徳郎 『追憶のかけら』

追憶のかけら
貫井徳郎は文章表現や心理描写が素朴なので、非常に読みやすく登場人物への感情移入もしやすいのだと思う。
途中に挿入されている手記も、旧字体と旧仮名遣いが用いられているにも関わらずリーダビリティが良い(※ネタバレにて)。
終盤の二転三転する展開は流石、の一言。
分量的にも趣向としてもかなり気合の入った正統な本格ミステリだと思う。



以下、ネタバレ













戦後間もなく書かれたものがこうも読みやすいというのはリアリティに欠けるとはじめ思ったが、後程これは贋物ということが明かされて納得がいった。