書は言を尽くさず、

本読んだりしています

2010-01-17から1日間の記事一覧

吉田修一 『初恋温泉』

温泉を訪れるカップルの姿を描くというコンセプトの短編小説集。 吉田修一の真髄は、日常を描き方にある。登場人物の何でもない挙動の描写から心理描写へと繋げていく様が巧妙である。 時折、その日常の中から鮮烈なもの、過激なものが飛び出すことがあり、…

古川日出男 『僕たちは歩かない』

山手線のどこかにある、もうひとつの東京を舞台とした、中篇ファンタジー。 東京で働くシェフたちが集結し、一つの目的に向けて突き進む姿が描かれる。 一途だが暑苦しくない、古川日出男流のクリスマス・イヴ。