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浦賀和宏 『十五年目の復讐』

十五年目の復讐 (幻冬舎文庫)
電子書籍でリリースされた『メタモルフォーゼの女』シリーズをまとめ、書き下ろし作品を加えたもの。
医師の夫を持つ主婦、ミステリ作家を従姉に持つ男、売れない小説家を担当する編集者、各々の周りに謎の女が暗躍する。
同じく幻冬舎文庫で先に刊行された『Mの女』が関連作品。両作は同じ事件を異なる視点から描いている。後から読んだ方は既視感を覚えてしまうだろう。
捜査・取材系というか、小慣れた文章と物語構成はいつの間にか浦賀和宏作品のの最も顕著な特徴になったようだ。そして最早お馴染みの登場人物となった彼の登場。はっちゃけた作品ではないので物足りなさもあるが、少し笑って許せる面もある。