書は言を尽くさず、

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森博嗣 『ダマシ×ダマシ』

ダマシ×ダマシ (講談社ノベルス)

「それ、まえにも言われました」と小川は応じたが、それを言ったのは、別の刑事だったかもしれない。敬語ではなく、受身であれば、間違いではない。

Xシリーズ第6作にして最終話。
結婚詐欺にあったかもしれない。姿を消した男性を探して欲しい。公務員を辞めて東京に出て来た女性の依頼を受けた小川は、調査を開始する。
シリーズ最終話となる本書では、小川・真鍋・永田・椙田らがそれぞれの人生の岐路に立つ姿が描かれる。特に、小川については、依頼者と過去の自身を重ね、過去の事件と向き合う。そして、探偵としての自身の成長を実感しながら、更に足りない部分も自覚し、次のステップを意識する。本書もしくはこのシリーズ全体が小川の成長譚であったと言ってもいいだろう。
そして萌絵など他シリーズとのリンクもあり。ファンサービスの巧い作家だなぁと思う。