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『七人の名探偵』

7人の名探偵 新本格30周年記念アンソロジー (講談社ノベルス)
新本格30周年記念アンソロジー。綾辻行人歌野晶午法月綸太郎有栖川有栖我孫子武丸山口雅也麻耶雄嵩による全作書き下ろし。
新本格世代の豪華メンバーが集合。作風に幅はあるが各々のらしさが垣間見える。

麻耶…いつものあの銘探偵メルと美袋の上下関係。短編向き探偵の本領発揮。ラストシーンも本領発揮。
山口…作中の時代設定的には浮いているが、パズラー度高し。
我孫子…変化球。SF度が高い点は、らしさを感じる。
有栖川…火村とアリスのじゃれあい。一番まとまった本格かな。しかしこのシリーズ、関西弁の滑稽さが拭えない。
法月…これもいつもの通り、法月親子が自宅で推理ゲーム。しかし、ちょっと突拍子もなさ過ぎる事件では。
歌野…これも変化球。投げ方が非常に著者らしい。信濃譲二の登場に期待した分は残念。
綾辻…京大ミステリ研出身作家が実名で登場。各々の学生時代の様子を思わせる描写や関係性の表現に面白みはあれど…。内輪ネタに逃げたと言われても仕方ないのでは。