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森博嗣 『作家の収支』

作家の収支 (幻冬舎新書)
小説家という仕事の収入と支出について、増刷数・印税率などの客観的データに基づいた分析と、森博嗣自身による「蛇足」が語られる。
客観的データについて興味深いのは勿論、「蛇足」についても森博嗣らしさが満載で面白い。冒頭で森博嗣という作家の偏屈な特徴をまとめたり、事前に「自慢」という概念について語っておくあたり、自分への客観視もしている。
エピソードとしては印税ゼロで本(『STAR EGG 星の玉子さま』)を出してみた件、人件費がいらないから不況に強く志望者多数の件、などを興味深く思う。
仕事として嫌々書く、一作書き終えたら反響を待たずに次を書く、などワナビーにとってのハウツー本的な性質も持っているが、執筆術としてはかなり特殊で、参考にできる部分は少ないと思う。