書は言を尽くさず、

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野崎まど 『2』

2 (メディアワークス文庫)
同レーベルで刊行済みの5作『[映]アムリタ』『舞面真面とお面の女』『死なない生徒殺人事件』『小説家の作り方』『パーフェクトフレンド』総てについての続編。
所謂スターシステムを想像させるが、登場人物と世界設定を共有するだけではなく、物語の筋も中心人物もほぼ引き継いでいる地続きの構成。前作までのエピソードを伏線として用いている部分もあり、もしや過去作は全て本作のために書かれたのか、という疑いすら覚えさせる。
また、軽妙な会話文や大仰で外連味を感じさせる風呂敷広げとそつない畳み方も健在。
極めて意欲的な大作だが、野崎まどの集大成とも言える。