書は言を尽くさず、

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白河三兎 『小人の巣』

小人の巣
「小人の巣」なる、相談すれば楽に死ねる薬をくれるという自殺幇助サイト。そこへの相談者の物語を中心とした連作短編集。
本書は様々な形での「自殺願望」が描かれる。鬱屈ばかりでもない。個々当人にしか計れない思いが描かれる。白河作品ならではの正鵠を射るような会話文は健在だが、泣かせにかかる様はストレートな作品かもしれない。もう一味、個人的には欲しかった。