書は言を尽くさず、

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西尾維新 『十二大戦』

十二大戦
十二支をモチーフとした12人の戦士たちがゴーストタウンで戦う、所謂バトルロイヤルもの。
視点は12人の間で切り替わりながら進むが、時折俯瞰で全体概況や時系列を意識した描写(この裏で何々が同時並行していただとか)を挟むのは西尾維新らしい癖というかやり口と感じる。伝説シリーズの場合はこの悪癖が過剰になり過ぎて冗長さに繋がっていたが、本作は必要以上の風呂敷広げや独白や脱線はなく、バトルシーンを中心としてテンポよく進む。そしてスピンオフやシリーズものでもないので、さらりと気軽に読める条件が整っている。これは西尾維新にしては珍しい。
なお、本作の後日談がイラストを担当する中村光の漫画としてあるようだが、いずれ手に取ると思う。