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書は言を尽くさず、

本読んだりしています

小杉英了 『ターミナル・デイ』

ターミナル・デイ (単行本)
日本ホラー小説大賞受賞第一作。
ターミナル・システムという新しい秩序のもと再構築された日本が舞台。
相変わらずの、事象に対する心の繊細さやブレ幅だとか、心理描写の巧みさが印象に残る。主人公は女子高生だが、まさに思春期の表現は著者にうってつけ。かつ設定上、思春期の情動は抑え込まれるものとなるのだが、その抑圧の中の微妙(絶妙)を描けているように思う。
前作『先導者』がSF・ホラー的な設定・要素があったのに対して、本作は近未来ではあるものの超科学的な事象は発生しない。前述のとおり心理描写力が売りの著者なので、やや設定的な粗やストーリー上の中途半端さ・強引さ・ブツ切れ感はあるものの、それらをもって悪い評価とはしたくない。