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書は言を尽くさず、

本読んだりしています

綾辻行人 『Another』

Another
野生時代』連載作品の単行本化。アニメ化、実写映画化も行われている。
田舎に引っ越した中学性が主人公。
不思議な存在感を持つ美少女。転校先のクラスに漂う緊張感。不気味な人形専門店。持病に対する不安。
……といったような、何かそわそわするような雰囲気が充満した作品。
新本格ミステリの初代という印象の強い綾辻行人だが、自分としてはトリックやロジックよりも、こうした小説の「雰囲気作り」の巧さが綾辻の特徴的な部分だと思う。具体的な「雰囲気作り」の手法として、傍点による強調や独特な感嘆詞(「ふうん」だの「はあん」だの)の活用などが挙げられたりする。
また、677ページと結構な長さで、何だか勿体付けるような展開も多いのだが、不思議と冗長さは感じなかったのが印象的。雰囲気に中てられてしまったのだろうか。

とはいえ雰囲気だけで終わらず、何らかの形でミステリをやろう、という意識が見えるので、嬉しいというか楽しい作品ではある。