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書は言を尽くさず、

本読んだりしています

富野由悠季 『機動戦士ガンダムF91―クロスボーン・バンガード』

機動戦士ガンダムF91―クロスボーン・バンガード〈上〉 (角川文庫―スニーカー文庫) 機動戦士ガンダムF91―クロスボーン・バンガード〈下〉 (角川文庫―スニーカー文庫)
宇宙世紀ガンダムシリーズ
『Gのレコンギスタ』により再燃したトミノ熱にて手に取る。
富野由悠季の小説を読むのは10年ぶりぐらいだが、最初に読んだ時と印象は変わらない。
文章力は高くなく、状況の伝達力が低い。戦闘シーンについて、作者と読者で見ている風景を共有出来ているだろうか。容易ではないはずである。
また、神の視点から登場人物の心理を欲張って描く事が多いため、読み手に混乱を招きリーダビリティ低下に繋がる。登場人物の台詞も富野節で、スッとは繋がらない。ただ、これについては富野節を好む層が少なからずおり、自分も楽しく読めた部分である。
本作F91のアニメ版は、当初TVシリーズで展開する予定だったものが劇場版に圧縮・切り取りしたものであるため、唐突に始まり中途半端に終わり、説明不足な部分も多々あったと思う。
本書は、「クロスボーン・バンガード」の成立過程をマイッツァー・ロナ(セシリーの祖父)の壮年の頃まで遡って描いており、アニメよりも深く正確に背景を知ることができる。劇場版の補足としての役割は充分に果たしているものと思う。
ガンダムの直接的な敵は悪なだけでもない。間接的な敵は地球に蔓延る俗物。その富野の発想にブレはなく、本書も例外ではない。