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浦賀和宏 『姫君よ、殺戮の海を渡れ』

姫君よ、殺戮の海を渡れ (幻冬舎文庫)
糖尿病を患う妹が利根川で確かに触れた「イルカ」。高校生である主人公がこの荒唐無稽なエピソードの真相を探ることから物語は始まる。
主人公の年齢が低いこともあり、最近幻冬舎で展開されていた桑原銀次郎シリーズとは異なる雰囲気を持つ。
この「イルカ」探訪と、その後時を経てからのエピソードで、物語は大きく2つに分かれる。前半は何とももどかしい展開が続き、分量的にも結構な量があるのだが、不思議と読ませる浦賀の文章力。後半は比較的駆け足で展開が進む。
青春小説、SF、ミステリのエッセンスを含み、そして少しのサプライズを持つ大作。初期の浦賀作品の系譜とも言えるだろう。