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書は言を尽くさず、

本読んだりしています

北山猛邦 『人魚姫 グリム探偵の手稿』

人魚姫  探偵グリムの手稿 
19世紀のヨーロッパを舞台とする。タイトルの通り人魚が登場したり、魔女が存在したりと、童話のようなファンタジー風味の強い作風である。
不可能犯罪の謎を解く展開となるが、人外と魔法の存在する世界での犯罪には一見不可能はないようにも思えてしまう。そのようにファンタジー要素を頭に置きながらふわふわと読み進めていたところ、解決編で面を食らう。
物理の北山は物理の北山。忘れてはいけなかった。ファンタジー展開をぶち破るような、現実的な物理トリックに驚く。特段世界設定にそぐわないわけでもない。だが何とも歪なバランス。
デビュー当初からファンタジー要素と物理トリックを重視し両立させてきた著者が本領発揮した作品と言える。これは素晴らしい個性だと思う。