新聞連載作品の単行本化。
主人公には父親が４人いる。母親１人と、６人で暮らす高校生。倫理的に照らしてアウトな設定だが、そこまでアウトさを感じさせないのは、伊坂幸太郎の手腕か。それとも自分が伊坂テイストに毒されているためか。最初にこの状況を受け付けなければ、てんでダメなまま終わるだろう。
割とだらっと過ぎる日常。終盤にまとめて伏線を回収していく様等、伊坂幸太郎お得意の手法で良くまとまっている。
著者自ら語る「第一期」最終作とのこと。何となくだが、第二期にあたる作品とはえらい違うなぁというのは解る。（『SOSの猿』『あるキング』等）
