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初野晴 『わたしのノーマジーン』

([は]7-1)わたしのノーマジーン (ポプラ文庫 日本文学)
荒廃し終末思想が囁かれる世界が舞台。足が不自由でありながら一人で暮らす女性・シズカと不思議なサル・ノーマジーンの共同生活を描く。
様々な出来事を通して描かれるシズカとノーマジーンの間の愛情。しかし、優しいだけでは終わらない初野作品。終盤、現実の苦味を突き付ける展開。
そうした優しさと残酷さを併せ持つ、初野晴の本領発揮というべき作品。ポプラ社でこの球を投げるのはなかなかのチャレンジのように思う。