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書は言を尽くさず、

本読んだりしています

吉田修一 『空の冒険』

空の冒険 (集英社文庫)
『あの空の下で』と同様に、ANA機内誌『翼の王国』連載の小説・エッセイを一冊にまとめたもの。
12本の小説はすべて10頁前後のショートショート路線。地に足が着いた現実的な登場人物の、ありふれた人生の一部が切り取られて描かれる。吉田修一は、若干の生臭みを含ませた日常生活を描くのが得意だが、本作ではそうした面はかなり控えめで、強い印象を残さずにさらりと閉じる。旅の始まりか終わりに、機内であっさりと味わうことを想定しているのだろう。
エッセイは旅関連のものが多い。著者の印象に残った出来事が多く描かれているので、読後感はこちらの方が深く残る。