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『デンデラ』

デンデラ [DVD]
原作・佐藤友哉
「姥捨」その後というストーリーで、とにかく登場人物は老婆だらけ。老人以外の出番はほとんどない。
おばあちゃんだらけのアクションシーンは、物珍しさという意味で見もの。


原作との対比で語ればポイントは二つ。
一つ目は、内面の心理描写についてナレーション等をさせることはなく、演技と台詞のみで表現している。そのため、原作の大きな特徴の一つであった、主人公・斎藤カユのコミュニティに対する自分のスタンスについての逡巡・懊悩は薄れてしまっている。
二つ目は、コミュニティを襲う苦難のうち一つが、事象ごと丸々差し替えになっている。そのため、かなり単純な物語に仕上がっている。原作のとおり詰め込んだらかなり慌ただしくなると思うので、ここは賛否両論かなぁと思う。
あと、終盤の主人公が走り続けるシーンは、映像で表すとシュールになるなぁと感じた。