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吉田修一 『キャンセルされた街の案内』

キャンセルされた街の案内 (新潮文庫)
10篇収録の短編集。
吉田修一のお家芸とも言える、どこかにありそうな日常の風景が切り出された短編群。
表題作は50頁程度あるが、それを除けば全て20頁前後の作品。吉田修一はこの長さの作品を書かせると最早職人のようなイメージで、何を書いても小説になってしまいそうな印象さえ与える。
ただ、あまりに日常過ぎてすんなり記憶から流れていく印象。劇的な何かは求められないし与えられない。