VS JOJO という『ジョジョの奇妙な冒険』の小説プロジェクト第一弾。
第5部完結後のイタリアが舞台。そして主人公はあのパンナコッタ・フーゴ。原作場面の述懐を交えつつ綴られる。
殺るか殺られるかの5部の雰囲気をそのまま受け継いでいるのが好印象。
ジョジョノベライズの中で比較すると、回想オンリーの西尾維新と異なり現在進行中の物語を綴っており、読み物として完成度が高い。しかしバトル自体はあっさりとしているのと、原作場面の回想が多過ぎる点で、物語としての読み応えは乙一に1歩か2歩譲る。しかし、原作ファンがニヤリとする要素の埋め込み方は、上遠野浩平が最も巧い。ブギーポップシリーズで培った再登場ノウハウの為せる業か。
