書は言を尽くさず、

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小林泰三 『モザイク事件帳』

7編からなる短編集。
著者の過去の作品の登場人物を、探偵役として再登場させたミステリ連作短編集。
収録の7編にはそれぞれ犯人当て、倒叙ミステリ、安楽椅子探偵バカミス、??ミステリ、SFミステリ、日常の謎というようにミステリとしてのジャンル分けがされているが、すべてバカミスのような雰囲気も持ち合わせている。ユニークな登場人物たちの掛け合いや、あまりにぶっ飛んだ設定によるものだろう。
更新世の殺人」「正直者の逆説」「遺体の代弁者」あたりが、著者の本領を発揮した作風で非常に楽しめた。