書は言を尽くさず、

本読んだりしています

吉田修一 『7月24日通り』

でも、みんなそうなんじゃないかとも思う。みんな昔の自分を見返したくて、必死に毎日を過ごしているんだと。

とある地方の街を舞台とした、恋愛小説。
女性視点から、劣等感に近い感情で綴られる吉田修一にしては珍しい一作。
停電した街を眺めるシーンと、その後の主人公の心境の変化が本作の一番の見所か。最初は物足りなく思ったが、終盤で前述のような展開があってよかった。