2007-05-04 森見登美彦 『きつねのはなし』 book 4編収録の短編集。 デビュー作『太陽の塔』・2作目『四畳半神話大系』で見せた作風とはうって変わって、幻想性の高いホラー小説となっている。 表題作は肥大していく不信感・恐怖心を淡々とした文章ながら巧く描けていると思う。しかし2〜4編めは回想を多用する語り口のせいか、どこか感情移入しづらい。 非常に落ちついた、地に足のついたホラーではあるが、堂に入り過ぎていてあまり肌に合わなかった。