書は言を尽くさず、

本読んだりしています

森博嗣 『少し変わった子あります』

常に前進していたいと彼女は言った。その前進とは、何を基準にしているのか。どこから観測したとき、前進していると見なせるのか。逆に、どんな位置に立てば、人は停止していることになるのだろうか。

場所を転々とする、ある変わった料理店。毎回違う若い女性が一人食事に付き添う。代金は二人分。
哲学的キャバクラとでもいうか。題材は著者らしくない意外性があるが、その料理の仕方は森博嗣節に溢れている。会話、地の文での思考、サプライズの差込み方等々。
あと、大学についての記述が歯に衣着せぬ勢いとなってきている。