書は言を尽くさず、

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吉田修一 『東京湾景』

東京湾景 (新潮文庫)
何故ドラマはあんないらん設定がもろもろ入ったのかなぁ。
韓流ブームに乗っかっただけなのはわかるが、安直過ぎる上にこの作品と組み合わせる意味がわからん。
品川埠頭、お台場等の東京湾界隈を舞台とした恋愛恋愛小説。ドラマ化もされたが、大幅なストーリーの改編がある模様。
吉田修一にしては珍しい要素がいくつか見えた。長編で真正面から一つの題材を描いていたり、小説家が登場し創作について語ったり。前者はともかく後者は著者にとっては異例なケース。ハッピーエンドらしく捉えられるのも割と珍しいかもしれない。
しかし、そこはかとなく見える悲壮さや独創的な物言い等はやはり吉田節。堪能した。