書は言を尽くさず、

本読んだりしています

吉田修一 『パレード』

パレード (幻冬舎文庫)
これは傑作。意外な収穫があり満足。
以下ネタバレ注意。
2LDKのマンションで奇妙な共同生活を送る若者たちの物語。
吉田修一ならではの現代的で若干の後ろ暗さが見える人物描写が魅力的。











本作はそれに加えて、5つの視点から描かれる物語の構成にも注目したい。視点の違いによる人物像の差異。人の多面性。マルチバースとユニバース。「変化を求め、世界と闘っている」という占い師の言葉。結末を予想させるパーツは全編に散りばめられている。