書は言を尽くさず、

本読んだりしています

麻耶雄嵩講演会

ワセダミステリクラブ主催による毎年恒例の講演会。
てなわけで早稲田祭の真っ只中に入り込んだわけですが、純粋にお祭気分を体感できない自分がいましたよ。去年はそれなりに出店を見たり何か買って食べたりしたんだけど。今年は売り子の女の子二人組に大隈像までの道聞く代わりに、タピオカミルクティーを買ったぐらいだった。しかもタピオカが苦いわミルクティーが薄いわで、とても人の飲用物とは思えぬ代物だった。午後ティーを水で薄めてるんじゃなかろうか。


閑話休題
講演会ではグラサンで登場した麻耶雄嵩に驚いた。話し方も風貌も作家らしくない感じ。昔の垢抜けない著者近影とは別人に見えた。やられた感強し。
しかし肝心の講演の内容はやや期待外れだった。インタビュアーと麻耶さんによるQ&A形式だったんだけど、インタビュアーの質問が直近の作品『神様ゲーム』に偏り過ぎていため、『神様ゲーム』未読の人には辛い時間が続いたと思う。あの話を聴いて『神様ゲーム』に対する読書欲が沸いてくればいいんだけども…。そして『神様ゲーム』の話が終わったと思ったら海外ミステリの話が始まり、またしても聴講者を選ぶ展開になっちゃってありゃりゃっていう。
もっと抽象的な、「フェア・アンフェアの境」「本格ミステリとは」などについて語ってもらった方が良かったんじゃないかと思う。しかしそうなると今回以上にインタビュアーの力量を問う展開になるので、それがネックだったんだろうか。
まぁ具体的な作品に沿って語ってもらうのは決して悪くないけれど、なぜ『神様ゲーム』なのかっていう理由付けがどうも見い出せず。ああした内容を講演会の中心に据えるのであれば、「『神様ゲーム』刊行記念」とかいう文句を添えておいた方がよかったんじゃなかろうか。
うーん、しかしネット上では好意的な感想ばかり。無料の講演会にそんなケチをつけるのが間違っているんですかね。
もちろん興味深い話は結構聴けて(香月1人称は書きにくい、美袋はバカだから書きやすい、読むよりも書く方が好き、綾辻が家建てた、法月の絶望FAX、我孫子大喜利やりたいとか)満足ではあります。
京都からはるばるお越しいただいた麻耶雄嵩氏、このような場を設けていただいた主催の方々、本当におつかれさまでした。