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金城一紀 『レヴォリューションNo.3』

レヴォリューションNo.3

クリフォード・ブラウンは二十五歳で死んだ。ソウルが強すぎたんだ。ソウルの強すぎる人間は神様のレーダーに引っ掛かっちまう。神様はそういう人間を近くに置きたがる。だから、ソウルの強すぎる奴はみんな早く天にのぼっていく」

直木賞受賞第1作にあたる。落ちこぼれ高校の生徒たち“ゾンビーズ”の活躍が描かれる。表題作が最も爽快でいて悲壮感も漂う、傑作。「異教徒たちの踊り」はミステリー仕立てにしているが正直あまり巧くはない。キャラ立ち、ストーリー展開などでは同シリーズ長編『フライ,ダディ,フライ』に敵わないと思われるが、“ゾンビーズ”の伸び伸びとした高校生活を拝めるのはこちら。