書は言を尽くさず、

本読んだりしています

森博嗣 『有限と微小のパン』

有限と微小のパン (講談社文庫)
S&Mシリーズ10作目。
初読時より格段に好印象。文庫で860頁というかなりの分厚さだが、倦まない程度に続出する森独特の価値観や言語感覚でだれることなく読めた。
傑作だと思うが、やはり作品単体としては何じゃこりゃ感が強い。この作品のテーマのひとつである(と思う)「現実と虚構の対比」も真賀田四季の存在感も、『すべてがFになる』ありきのものだと思うし。