書は言を尽くさず、

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殊能将之 『キマイラの新しい城』

名探偵・石動とその助手アントニオが活躍するシリーズ最新作。
本当に揚げ足取りのかわし方が上手な作家だと思う。『黒い仏』以来(もっと言えばデビューからずっと)続けている本格ミステリを皮肉る姿勢は本作でも維持されている。
ネタは短編相当のようにも思えるが、シニカルな視点と軽く盛り込まれたユーモアが楽しく、さほどガッカリ感はない。むしろ短編クラスのネタでここまで描けることを賞賛すべき。