書は言を尽くさず、

本読んだりしています

2010-11-21から1日間の記事一覧

有川浩 『阪急電車』

阪急電車のマイナーライン・今津線の宝塚―西宮北口間での車内および駅ホーム・周辺を主として展開される物語。停車駅ごとに章立てされ、各章の登場人物は奇麗に切り分けはされず交錯し、叙情的でハートウォーミングな物語を紡ぐ。 私事ながら、物語の舞台が…

三津田信三 『厭魅の如き憑くもの』

著者はホラー・ミステリの融合体を成す点で有名だが、本作はまさにその一例。 登場人物であり探偵役である人物が「事象は白か黒か2つに割り切れるとは限らない」「ただし蓋然性の高い解釈をいくつか挙げることはできる」(いずれも意訳)といったことを述べ…

野崎まど 『死なない生徒殺人事件』

「永遠の生命を持った生徒がいる」という噂のある学園が舞台。 あるはずのない「不死」と、それに相反して起こる殺人事件。裏表紙にあるとおり独創的なハウダニットとワイダニットで、ネタバレできないまでも、この表現・手法には舌を巻いた。